2017年9月16日土曜日

SOSTierra@Universitat Politecnica de Valencia-1

今週はスペインのバレンシアのバレンシア専修大学で行われたSOSTierraという国際会議に小林広英先生と参加しました。

スペインは2004年以来2度目の訪問で、バレンシアは初めて。ドタバタで出発したため、オレンジとパエリアしかイメージがない状態での滞在でした。

今回の会議は、各年で行われる「土造りの建造物の保存についての国際会議」で、アカデミックなものから、アクションが伴ったものまでが含まれています。そして、国連も関わっているので、さて、どんな格式ばったものかと思いきや…

フルペーパーがこんな本になりました
まあ、この会議の参加するまでは紆余曲折でした。かなり消耗しました。

まずこの会議に応募を決めたのは、昨年の後半のこと。ちょうど年末にパリでこの話題で発表させていただいていたので、英語の資料は作ってあったものの、最初のアブストラクトで「英語がプア」という評価。かなり凹んだものの、英文校閲に出すなどしてなんとか通過。その後のフルペーパーもかなり査読がきつく、あきらめかけたこともありました。 しかし4月に何とか通過の通知をいただき、さて今度は渡航費の工面。ほぼ確実に当たると思っていた助成金に落ち、京都精華大学のウスビ・サコ先生から研究費をいただき、何とか参加できることになりました。

しかし、3泊5日の超強行スケジュール(先週あたままでブルキナにいたのですよ)…
現在途中のフランクフルトでこれを書いていますが、なんか頭がボーっとしています。

なんと、最優秀発表・論文賞!!
 しかし、そんなこんなで道のりは険しいものでしたし、自分の発表は時間オーバーという、とんでもな感じでしたが、小林先生のプレゼンがこんな賞をいただきました。「ビギナーズラック」などと謙遜されていましたが、僕のアウトローな発表はともあれ、唯一、フィールドの知を体系化した、また、これまでの研究蓄積の上に立ったそれは重厚で見事
な発表でした。僕がセカンドにいるのは、フィールドの調整の功績のためで、本当にうまく活かしていただけたました。

受賞者2人とサコ先生
そして3人でパシャリ。

2.5日の短い滞在でしたが、スペインにも新たな友人ができ、また新たな世界が広がった気がします。

人類学にも「建築人類学」という領域があり、数は少ないですが、何人かの方が精力的に活動を続けています。多くが建築学畑の出身で、図面はしっかりかけるし、何より、非常にわかりやすい議論をされるのが印象的です。これくらいで自分をそう名乗るつもりもありませんが、「住まうこと」は人間の生活のとても大きな要素であることは間違いありません。もちろん、人類学でもとても重要なテーマです。今回はそういう意味で、とても多くのインスピレーションを得られた滞在でした。

2017年9月12日火曜日

『子どもたちの生きるアフリカ 伝統と開発がせめぎあう大地で』校正作業がおわりました

昭和堂HPより(http://www.showado-kyoto.jp/book/b310341.html)
来月か、遅くとも再来月には本が出ます。亀井伸孝先生との共編で、『子どもたちの生きるアフリカ 伝統と開発がせめぎあう大地で』というタイトルで、出版社は昭和堂さんです。

原稿を書き、形になるまでには、かなり長い時間がかかるもの。最長は一本の論文で4年かかった、というのがありましたが、この本も2014年の構想で、3年かかってようやく出版にこぎつけました。もちろん謝辞には入れさせていただきましたが、執筆者や編集の松井久見子さんはもちろん、特に前職の上司、田中樹先生の後押しがなければ実現しませんでした。本を編むという作業は初めてのことで、五里霧中のなかで、本当に皆さんに支えてもらったな、ということを切に思います。

発売日が決まりましたらまたブログ上でお知らせしたいと思います。

■■目次■■
第Ⅰ部 乾燥地に生きる
 第1章 子どもの物質文化――ボツワナの狩猟採集民ブッシュマン
 第2章 小さなイスラーム教徒たち――セネガルの農耕民ウォロフと遊牧民フルベ
 第3章 ストリートに生きる子どもたち――ブルキナファソの最大民族モシ

第Ⅱ部 サバンナに生きる
 第1章 日常生活の中の学び――ケニアの牧畜民マサイ
 第2章 大人顔負けの子ども組織――マリの農耕民マリンケ
 第3章 恋する娘たちの結婚と就学――エチオピアの少数民族マーレ
 第4章 学び、遊び、夢いっぱい――ザンビアの農牧民トンガ

第Ⅲ部 熱帯雨林に生きる
 第1章 森との向き合い方を学ぶ――カメルーンの狩猟採集民バカ(1)
 第2章 学校と遊びの今昔――カメルーンの狩猟採集民バカ(2)
 第3章 「里」と自然体験――ガボンのムカラバ国立公園で

第Ⅳ部 水辺に生きる
 第1章 生物多様性の宝庫に生きる――マラウイの漁民、チェワ族とトンガ族
 第2章 クルアーンを詠唱する子どもたち――マリの古都ジェンネで
 第3章 海で遊び、生きかたを学ぶ――マダガスカルの漁民ウェズ
 第4章 水上スラムで育つアイデンティティ――ナイジェリアの少数民族エグン

第Ⅴ部 都市に生きる
 第1章 スラムで学び、遊び、働く――ケニアの首都ナイロビで
 第2章 徒弟修行の若者たち――ガーナの産業都市クマシで
 第3章 農業に親しむ子どもたち
              ――南アフリカ共和国の国際観光都市ダーバン近郊で


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2017年9月11日月曜日

SOStierra@Universitat Politecnica de Valencia

SOSTierra (http://sostierra2017.blogs.upv.es/)より
ウキウキのヨーロッパ。スペイン。バレンシア。パエージャ。ワイン…

という浮かれた気分はまったくありません。現在、本日中に出さねばならない原稿の校正作業と公募書類と、そして、この国際会議の発表原稿(これがほとんど終わっていない)に押しつぶされそうな、実に陰鬱とした気分の真っただ中。

昨日はせっかくの休みだったのに、ため息ばかりで、連れ合いに「幸せが逃げる」とか言われ、嫌な言葉を吐き…そして、ほとんど寝られず、やはり朝から気分はボロボロ。

そんなこんなで明日からスペインで開催される、「土づくりの建造物の保存と持続可能性の国際会議」に出席/発表してきます。かなりの弾丸ツアーで、3泊5日。しかも、チケットの都合で福岡発着(もちろん連れ合いの実家は素通り)。発表が終わったら睡眠だけはきっちりとろうと思います。


2017年9月10日日曜日

ずいぶん放置しました

20170828Yalka村にて
時々、「あぁ、ブログ書いてないな」と思いつつ、やることが多すぎて放置してしまっていました。もともと僕自身が書き癖をつけるために始めたのですが、約3か月、書かない日はなく、したがってこちらにまで書く気持ちが回りませんでした。

でも、ちょっとこちらにも書かねば、と思ったのには、あるきっかけがあったからで、このきっかけはいずれご報告できる日も来ようかと思います。現在約800のエントリーをしましたが、こんな駄文の山を丁寧に読んでいただいた方がいらっしゃった、ということです。いいオヤジが人に煽てられてやる気を出しなおした、というあまりみっともいいわけではありません。

ブログをすっとばしはじめたのは6月だから、あの原稿が上がって、あれがもう少しで…というのがあって…

今回はつい先週までは2週間ほど滞在したブルキナの話題。

今回は今年から参加させていただいている、「サニテーション価値連鎖」(PL船水尚之教授)というプロジェクトの仕事。人間由来のし尿をいかに利用するか、ということがプロジェクトの目的で、今回は初回ということで、フィールドの候補になるバム県の視察とワガドゥグのし尿処理の話に力点が置かれたものでした。

ブルキナのヒトがなぜトイレを使わないのか、ということをめぐって、さまざまな憶測が飛んで、いろんな先入観に染められたままフィールドに入ったのですが、村のヒトでも意外にトイレを使っていて…といきなり先入観があまり正しくなかったことから始まり、村でも汲み取り業者が回ってくる、という、し尿をめぐる経済的なサイクルがあることで、まったくストーリーが変わってきたというのが現状。とても刺激的で、今までの村落の研究ではなかった話が出てきそうです。

今日はリハビリにて、このあたりで。

2017年6月12日月曜日

子ども学と子育て Vol.20 親の気持ち

寝起きの貴一朗201705
貴一朗1歳3か月。日々保育園で格闘しながら、懸命に生きている。

親の気持ちが分かるなど、まだまだ言えないけれど、自分ではそんなつもりもある。

僕は割と遅い子どもだった。僕の下に6歳年下の弟がいるけど、彼の場合はもっと遅い子。父は44歳か45歳くらいだったのではないだろうか。大学生あたりから、「結婚と子どもは早いほうがいいよ」ということはよく聞いていたけど、ダラダラと遊び惚けていた僕は、まったく実感もないまま、ようやくどういう意味だったか、ということが少しずつ分かってくる。それで、よく考えるのが、例えば、大学生の時に学生結婚をしていたら(20代前半)、会社に勤めていた時に結婚していたら(20代後半)、また大学院に入るくらいに…ということで、そんなことは「たられば」の究極系みたいな話。

40代前半が終わろうとしている今の時期は、20代、30代に比べたら格段に忙しいような気がするけど、当時もなんかよくわからないことで忙しかったような気がする。もちろん、その間いろんな経験もするわけだから、今でないほうがよかったかと言えば、今がベストな時期だったような気もする。でも、その間で失ったものは大きくて、僕の体力と寿命までの時間。もっとも切実な問題なはずなのだけど、そんな風に実感することはない。20年も前に亡くなった父は「なんとか大学までは…」ということを言っていたような気がするので、僕も最近そう思うようにしている。うまくストレートで行ってくれれば、貴一朗が22歳で僕が62歳。うまくどこかの大学に潜り込んでいたとすると、定年間近。たぶん奨学金は返し終わっているから、早めに年金をもらって、少し連れ合いとのんびりと。なかなかハッピーな人生設計だと思う(別に大学には行かんでもいいように思っている。むしろ、包丁が使えるようになったら、かっこいい)。

別にいい話ではないのだけど、たぶん、こういうのも親の気持ちというやつではないか、と思った。貴一朗の寝起きの顔の写真を眺めながら、考えた寝ぼけた話。そんな悠長な時代ではないはずだし。

2017年6月8日木曜日

『社会問題と出会う』

古今書院HPより


この原稿を書き始めたのが2013年ころ。本が1冊できるというのは時間がかかるものです。もちろんいろいろ大人の事情などもありつつ…

6月22日に『社会問題と出会う』(FENICS100万人のフィールドワーカー・シリーズ 7)が出版されます。(画像下の説明文のところから、目次や序章がチラ見できます)

僕が書いたのは…

第3章「アフリカの「ストリート・チルドレン」問題を複眼的に見る-支援者と調査者の交差するまなざし」

です。NGOに関わりながら行った調査と、単独調査の間で、社会問題化された子どもたちの見え方が違ってくる、ヒトことに調査と言っても、やり方もなにも大きく違う、ということを書きました。

書価が少し高くて、3,400円となります。著者割が使えるそうですので、2割引き(たしか)で承ります。
ちなみにアマゾンでも予約開始していますので、こちらから。

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2017年6月2日金曜日

ご恵贈いただきました 中尾世治(著)『西アフリカ内陸における近代とは何か-ムフン川湾曲部における政治・経済・イスラームの歴史人類学-』

中尾さんの博論表紙

自分は博論がなかなか書けずにいるのに、なぜかすでに10冊ほどの博論をいただいている。中でもこの博論は本当に嬉しい。

嬉しさには2通りあって、一つは長い付き合いの同志の成し遂げた大きな仕事に、そしてもう一つは、ブルキナファソ研究の発展、そして、坂井先生の大きな仕事が倍の大きさになったような、そういう西アフリカの研究上の大きな進展に対するもの。本当にお疲れ様でした。これをステップに大きく羽ばたいてほしいと切に願います。

こんな立派なのは書けませんが、次は自分の番、強く強く思います。中尾君に置いて行かれないように。

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